ご挨拶
この度、第50回日本臨床細胞学会近畿連合会学術集会を兵庫県が担当させていただくこととなりました。2025年12月14日 (日)の会期で、兵庫医科大学平成記念会館において、ハイブリッド形式(現地開催+Live配信)で開催いたします。
学術集会も記念すべき50回目の開催となります。大きな節目となる学術集会の大会長を拝命し、身が引き締まる思いを感じると同時に、これまで本学会の発展に尽力してこられた多くの方々に、心より敬意を表します。
「50年、そして次世代へ繋ぐ」
本学術集会のテーマは第50回の節目の記念大会であることを考慮して、「50年、そして次世代へ繋ぐ」といたしました。次の50年にむけたビジョンを創出することに挑みたいと思います。
そこで今回、口腔細胞診、婦人科細胞診、バーチャルスライド(WSI)カンファレンスという視座で捉え、次世代の社会において果たすべき役割やあり方を考える機会にしたいと考えております。
口腔細胞診は昨今の口腔癌及びその死亡率の増加傾向から,早期発見のため患者への負担が少なく、容易に採取できる口腔擦過細胞診が普及してきておりますので取り上げました。
婦人科細胞診は子宮頸がん検診へのHPV検査の導入により、細胞診におけるASCの取り扱い(トリアージ)が重要となります。
また新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって学会の活動形態は大きく変化し、WEBを用いた学術集会や会議が旺盛となり現在に至っております。細胞診領域において、情報通信技術(IT)をいかにうまく利用し浸透させるかが課題となっていました。その状況下で、兵庫県で力を入れてきたWSIを駆使したカンファレンスを行います。
最後に
いろいろな状況そして環境の変化に合わせるように成長していかなくてはなりません。生まれる前に赤ん坊がいたお腹の中の羊水と海水のミネラルバランスがほぼ同じであることは、偶然ではなく祖先が何十億年も過ごしてきた海の環境を未だに胎児の過程で再現しているように、本学会も状況に応じて変化し成長していく中で、全ての領域の、特に癌の細胞診断をカバーする専門学会として発足した原点を忘れずにいたいと思います。
今後の日常業務に役立つ、より良い継続的な学習の機会となるように、兵庫県臨床細胞学会・兵庫県細胞検査士会の会員が一丸となって協力し、本学術集会の開催に取り組みたいと考えています。近畿連合会の皆様のご協力をお願いするとともに、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
第50回日本臨床細胞学会近畿連合会学術集会
会長 小笠原 利忠(誠仁会 大久保病院)